『猫の妙術』

2019-01-14
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過日、柿の木に無数の雀がとまっており、それを下から狙う飼い猫がいた。枝のうえのほうに橙色の柿がいくつもなっているせいか、雀も皆うえのほうで囀っている。猫は静かに木登りをはじめるが、そこは飼い猫である。

木の四合目あたりで雀にあっさり氣がつかれ、一羽も残らず飛びたってしまった。そこからの景色をぜひ皆さまにもご覧いただきたかったのだけれども、飼い猫はこれまた丁寧に木をゆっくりとおりていった。あれを哀愁というのであろう。

さて、これが飼い猫でなく、筋肉隆々の猫だったら雀はとれたのであろうか。あるいは氣功を極めた猫なら、どうか。悟りをひらいたばかりの猫なら?『猫の妙術』は雀がバケモノ鼠になっているものの、このような話で、結局、鼠を静かに捕まえてきたのは平凡な老猫であった。

寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。

老猫の話が今はじまる。

#リジチョー。

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