Archive for the ‘あ行-出版社’ Category

蔦重の教え

2016-07-18
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●レビュー

この本は、読書普及協会の清水顧問が出版した「魂の読書」の中でも紹介されています。
サラリーマンである55歳の主人公、武村竹男(タケ)が会社から依願退職を命じられ、ヤケ酒を飲みお稲荷さんにオシッコを掛けていた時に、江戸時代にタイムスリップしていまう物語です。

そこで助けてくれたのが、江戸時代の出版業界の破天荒プロデューサー蔦屋重三郎(蔦重)です。
タケは蔦重の仕事を手伝いながら、人間として生きていくための処方を色々な出来事や考えを通じてひとつずつ気付いていきます。
今までの生き方では何が良くなかったのか。
蔦重の魅力ある生き方を目の当たりにして、タケも必死に生きていきます。

人生の「あがり」をどう捉えるか。それを考えさてくれる一冊です。

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南米「棄民」政策の実像

2016-07-11
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●レビュー

EUからの離脱をした英国ですが、その一因となったのがEUの「移民政策」です。英国民の多くがEU内での移動の自由が英国への移民を増やし、英国民の雇用を圧迫していると考えているようです。

移民は通常、貧しい国から豊かな国に流れるので、EUのなかで比較的経済が安定している国はみな、移民問題に頭を悩ませており、英国に続いて各国で連鎖的に国民投票が行われ、雪崩式にEUが形骸化する可能性もちらほらと指摘されています。

さて、日本もかつては移民大国でした。日本は中南米にむけてたくさんの移民を排出しました。もちろん、大戦前〜大戦中には満蒙にもたくさんの開拓民を送り込みましたが、これは形としては現地においても日本国に統治されており、移民ではなく「植民」です。中南米については、勧誘・教育・送り出しについては国が主導し(実際に受け持ったのは企業)ましたが、現地については国はほとんど関与していません。

もうひとつ忘れていけないのは、移民政策は戦前だけの話ではなく1970年(昭和45年)まで継続されていたことです。敗戦国の国民が異国の地(しかも、南米と言えど戦勝国です)でいかなる苦難の道を歩んだのか。

問題は国はなぜ「移民」という国策を開始し、継続したのか。日本はなぜ、「貧しい国」に移民を送り出したのか。国はなぜ「国策」を優先し、戦前戦後を通して同じ過ちをし続けたのか。それが「移民」ではなく「棄民」と呼ばれるゆえんです。事前調査もいい加減、教育もいい加減、送り込んだら知らんぷり。それが日本の移民政策です。多くの若者たちが、夢のような新天地と言う甘言に乗せられ、現地の人たちも放棄したような荒野ではじめての農業に挑戦し、極貧のなかで挫折して行きました。また、現地の富裕層に雇用され、奴隷同然の扱いを受けたものも少なくありません。

つい50年前まで、日本が国民に対して何をしていたのか。他国に何をしていたのか。そして、その構造は現在においてはたして修正されたのか。我々はそこをきちんと学び、考え、改めていかなければなりません。棄民という言葉を原子力政策と入れ替えれば、現代社会が見えてきます。

また、あわせて「さよなら日本―絵本作家・八島太郎と光子の亡命」晶文社、「棄民たちの戦場―米軍日系人部隊の悲劇」新潮社を読めば、戦前の米国移民についてその一端をかいま見ることが出来ます。

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東京に暮らす 1928-1936

2015-07-06
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●レビュー

 歴史の転換期にいる今こそ、我々は正しい歴史を知らなければいけない。しかし残念なことに「歴史に学ぶ」ための本の多くは、歴史を動かした人たちの行動分析にすぎず、そうでなければ伝統文化を「仮想」し現代的な尺度で「解釈」を加え「教訓」めいたいい話にすり替えたものにすぎない。

 たとえば、幕末明治の頃の庶民はどうであったのか。名もなき人たちのおおらかさにこそ、僕たちの忘れてしまったものがあるのではないか。
 僕たちはこの本を、何かしら忘れ物を取りにもどるぐらいの気持ちで、ゆったりと読むべきなのかもしれない。歴史という名の教科書を捨てよう。
 過去の名も無き人々の喜びや悲しみに、寄り添って行こう。

『私は暇人なのでこんな遅いサービスでも構わないのですが、もっと迅速にサービスが行なわれるようになっても、以前からの礼儀正さと、本が売れようが売れまいがそんなことはどうでもよいという大らかさを失わないで欲しいと思います。
 最近は口先のうまい商売ばかりで、こういうまじめな商売は少なくなってしまいましたが、感じがいいし、売ることしか考えない商売よりも結局は人々の信頼を得ることになるでしょう。(本分より)』

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人はなぜ突然怒りだすのか?

2015-05-18
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●レビュー

 帯のキャッチコピーは
 「ロシア軍特殊部隊の感情コントロール法を大公開!」

本書のテーマは、怒りのメカニズムの解明 と その対処法です。

著者の北川氏は、ロシアの軍隊格闘術「システマ」を創始者たちから学び、
日本でその普及に務めておられる方です。

システマとは、「自分も相手も傷つけない」というコンセプトを持った
ロシア生まれの武術・護身術で

現在では、一般人向きに
日常のトラブルに 即効で対処できる簡易リラクゼーション法として、
また 心身の能力を高める シンプルな鍛錬法として、
カルチャースクールなどでも学べ
日本でも 女性や体力のない人にも愛好者が増えているそうです。

日常でのトラブルで見舞われた際に
心身の動揺から シンプルなテクニックで 素早く平常心を回復し、
ハイ・パフォーマンス(良い働き)を可能にできるのが 特色で、

トレーニングでは
あえて「負荷・ストレスのかかった状態」をいろんな設定で 作り出し、
呼吸や シンプルな身体技法で リラックスさせていく事を
徹底的に学習するそうです。

本書は、特に「怒りから身を守る」をテーマに
「怒り」の発生のメカニズムを考察し、その対処法を紹介しています。

著者いわく、「あらゆる怒りの根っこには 恐怖心」がある、と。

大切なのは、
自分や相手の内面を 観察し、
震える恐怖心を そっと ほぐし 鎮め  解き放ってあげる事だと、説きます。

さらに実践編として 実際に 怒りのトラブルに 遭遇した場面を想定。

「自分の怒り」から、自分や 他人を 守る

「他人の怒り」から 自分や身近な人々を守り、怒っている当人をも守る。

場面ごとに 具体的な トラブル対処法が 紹介されています。

本書で紹介されるシステマのテクニックが ユニークなのは、

「怒り」を 決して 理性で抑えようとせず、
呼吸やシンプルな身体技法で
きわめて「生理的に鎮めていく」方法に特化している事です。

その一方で、
「自分も相手も 傷つけない」というコンセプトの根底には
ロシア正教(キリスト教の一派)の愛の哲学があるとされています。

(もちろん、実践にあたって、宗教的 信仰は 不要との事)

ハードな目標達成が求められる 軍隊のような環境で
一見 真逆の方向の 「怒りを沈める」テクニックが 採用された背景には、

「怒りを沈める」ことが、
心や体のパフォーマンスを存分に発揮させる鍵になる、
という視点が あったようです。

キリスト教の愛の哲学が、軍隊での格闘術に取り込まれ、
そのエッセンスが 洗練されて
現在は、庶民向きに
カルチャースクールでも 学べるという 不思議な状況 になっています。

本格的に やってみたい方は 教室で学べますが、
日常生活レベルなら
巻末に 掲載されている 初心テクニックだけでも
十分 役立つと思われます。

やさしさだけでは 物足りない、
ちょっぴりハードだけど 即効性・実用性のあるものがほしい
そんな方に オススメです。

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ぼくは貝の夢をみる

2015-05-09
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●レビュー

幼い頃から貝を集めるのが好きだった著者。

幼い頃は周囲の人も温かい眼で見守ってくれていたのに、成長するにつれ、周囲の反応は冷たくなり、悩みます。

貝の収集をやめようと思いながらもやっぱり好きで続けます。

好きなことを続けることがめぐりめぐって、今の自分につながっていることに大人になって気がつくというお話。

著者が描いている様々な貝や風景のイラストも素敵です。

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