Archive for the ‘か行-著者’ Category

蔦重の教え

2016-07-18
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●レビュー

この本は、読書普及協会の清水顧問が出版した「魂の読書」の中でも紹介されています。
サラリーマンである55歳の主人公、武村竹男(タケ)が会社から依願退職を命じられ、ヤケ酒を飲みお稲荷さんにオシッコを掛けていた時に、江戸時代にタイムスリップしていまう物語です。

そこで助けてくれたのが、江戸時代の出版業界の破天荒プロデューサー蔦屋重三郎(蔦重)です。
タケは蔦重の仕事を手伝いながら、人間として生きていくための処方を色々な出来事や考えを通じてひとつずつ気付いていきます。
今までの生き方では何が良くなかったのか。
蔦重の魅力ある生き方を目の当たりにして、タケも必死に生きていきます。

人生の「あがり」をどう捉えるか。それを考えさてくれる一冊です。

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アヴェ・マリアのヴァイオリン

2016-07-12
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●レビュー

14歳の少女がひとつのヴァイオリンとの出会った。

それはアウシュヴィッツの強制収容所で音楽隊だったユダヤ人の少女・ハンナが持っていたものだった。

一丁のヴァイオリンが、戦火をくぐり、数奇な運命とご縁を生み出す。

著者の香川よしこさんもこの小説で不思議なご縁を引き寄せておられます。

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書斎の鍵

2015-08-10
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●レビュー

この国に生まれたということは、かけがえのない資産なのだと、喜多川先生は書かれていたが、誰もがとうていその恩恵には気づいていまい、と思われる表情である。
もったいないほどの識字率、そしてそれを支えた文化、感受性をも放棄していないだろうか。

人生を作るのは習慣だという。
言葉の習慣、思考の習慣、感じ方の習慣。
文明を越えた尊い習慣に恵まれた私たちは、それだけでもう、まれにみる資産家だ。

果たして文明の利器により、人類は楽になったのであろうか?
携帯電話の普及により、連絡の付かない時間は皆無となり、家電製品の普及は生活形態の複雑化を招いていないか?
身近な例をとれば、お掃除ロボットを買ったはいいが、それがスムーズに動く部屋を目指して、お掃除セミナーを受けると言うもの。なんだかややこしいのである。

電車の中でも、みなさん、とても忙しそうだ。
寸暇を惜しむトークチェックだろうかゲームだろうかスクリーンを見る目はただごとではない。
私が開こうとしている伝記的エッセイよりは余程急を要するようにお見受けした。

それでも、本はいい、と私は思う。
二つも先のドアから入ってきたおじいさんに気づき席を譲ることができるから。
ドアに片方の肩を預けながら、よし!この本も私の書斎入り決定だ。
そんな思いが、この車両にいる誰よりも明るい表情を連れてくる。

書斎という概念を変えてくれたことに、私は何よりもお礼を言いたい。
お風呂にはいるように、本のシャワーを浴びて、きょうも書斎向けの本を探すのだ。

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東京に暮らす 1928-1936

2015-07-06
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●レビュー

 歴史の転換期にいる今こそ、我々は正しい歴史を知らなければいけない。しかし残念なことに「歴史に学ぶ」ための本の多くは、歴史を動かした人たちの行動分析にすぎず、そうでなければ伝統文化を「仮想」し現代的な尺度で「解釈」を加え「教訓」めいたいい話にすり替えたものにすぎない。

 たとえば、幕末明治の頃の庶民はどうであったのか。名もなき人たちのおおらかさにこそ、僕たちの忘れてしまったものがあるのではないか。
 僕たちはこの本を、何かしら忘れ物を取りにもどるぐらいの気持ちで、ゆったりと読むべきなのかもしれない。歴史という名の教科書を捨てよう。
 過去の名も無き人々の喜びや悲しみに、寄り添って行こう。

『私は暇人なのでこんな遅いサービスでも構わないのですが、もっと迅速にサービスが行なわれるようになっても、以前からの礼儀正さと、本が売れようが売れまいがそんなことはどうでもよいという大らかさを失わないで欲しいと思います。
 最近は口先のうまい商売ばかりで、こういうまじめな商売は少なくなってしまいましたが、感じがいいし、売ることしか考えない商売よりも結局は人々の信頼を得ることになるでしょう。(本分より)』

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人はなぜ突然怒りだすのか?

2015-05-18
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●レビュー

 帯のキャッチコピーは
 「ロシア軍特殊部隊の感情コントロール法を大公開!」

本書のテーマは、怒りのメカニズムの解明 と その対処法です。

著者の北川氏は、ロシアの軍隊格闘術「システマ」を創始者たちから学び、
日本でその普及に務めておられる方です。

システマとは、「自分も相手も傷つけない」というコンセプトを持った
ロシア生まれの武術・護身術で

現在では、一般人向きに
日常のトラブルに 即効で対処できる簡易リラクゼーション法として、
また 心身の能力を高める シンプルな鍛錬法として、
カルチャースクールなどでも学べ
日本でも 女性や体力のない人にも愛好者が増えているそうです。

日常でのトラブルで見舞われた際に
心身の動揺から シンプルなテクニックで 素早く平常心を回復し、
ハイ・パフォーマンス(良い働き)を可能にできるのが 特色で、

トレーニングでは
あえて「負荷・ストレスのかかった状態」をいろんな設定で 作り出し、
呼吸や シンプルな身体技法で リラックスさせていく事を
徹底的に学習するそうです。

本書は、特に「怒りから身を守る」をテーマに
「怒り」の発生のメカニズムを考察し、その対処法を紹介しています。

著者いわく、「あらゆる怒りの根っこには 恐怖心」がある、と。

大切なのは、
自分や相手の内面を 観察し、
震える恐怖心を そっと ほぐし 鎮め  解き放ってあげる事だと、説きます。

さらに実践編として 実際に 怒りのトラブルに 遭遇した場面を想定。

「自分の怒り」から、自分や 他人を 守る

「他人の怒り」から 自分や身近な人々を守り、怒っている当人をも守る。

場面ごとに 具体的な トラブル対処法が 紹介されています。

本書で紹介されるシステマのテクニックが ユニークなのは、

「怒り」を 決して 理性で抑えようとせず、
呼吸やシンプルな身体技法で
きわめて「生理的に鎮めていく」方法に特化している事です。

その一方で、
「自分も相手も 傷つけない」というコンセプトの根底には
ロシア正教(キリスト教の一派)の愛の哲学があるとされています。

(もちろん、実践にあたって、宗教的 信仰は 不要との事)

ハードな目標達成が求められる 軍隊のような環境で
一見 真逆の方向の 「怒りを沈める」テクニックが 採用された背景には、

「怒りを沈める」ことが、
心や体のパフォーマンスを存分に発揮させる鍵になる、
という視点が あったようです。

キリスト教の愛の哲学が、軍隊での格闘術に取り込まれ、
そのエッセンスが 洗練されて
現在は、庶民向きに
カルチャースクールでも 学べるという 不思議な状況 になっています。

本格的に やってみたい方は 教室で学べますが、
日常生活レベルなら
巻末に 掲載されている 初心テクニックだけでも
十分 役立つと思われます。

やさしさだけでは 物足りない、
ちょっぴりハードだけど 即効性・実用性のあるものがほしい
そんな方に オススメです。

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