Archive for the ‘た行-本’ Category

蔦重の教え

2016-07-18
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●レビュー

この本は、読書普及協会の清水顧問が出版した「魂の読書」の中でも紹介されています。
サラリーマンである55歳の主人公、武村竹男(タケ)が会社から依願退職を命じられ、ヤケ酒を飲みお稲荷さんにオシッコを掛けていた時に、江戸時代にタイムスリップしていまう物語です。

そこで助けてくれたのが、江戸時代の出版業界の破天荒プロデューサー蔦屋重三郎(蔦重)です。
タケは蔦重の仕事を手伝いながら、人間として生きていくための処方を色々な出来事や考えを通じてひとつずつ気付いていきます。
今までの生き方では何が良くなかったのか。
蔦重の魅力ある生き方を目の当たりにして、タケも必死に生きていきます。

人生の「あがり」をどう捉えるか。それを考えさてくれる一冊です。

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東京に暮らす 1928-1936

2015-07-06
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●レビュー

 歴史の転換期にいる今こそ、我々は正しい歴史を知らなければいけない。しかし残念なことに「歴史に学ぶ」ための本の多くは、歴史を動かした人たちの行動分析にすぎず、そうでなければ伝統文化を「仮想」し現代的な尺度で「解釈」を加え「教訓」めいたいい話にすり替えたものにすぎない。

 たとえば、幕末明治の頃の庶民はどうであったのか。名もなき人たちのおおらかさにこそ、僕たちの忘れてしまったものがあるのではないか。
 僕たちはこの本を、何かしら忘れ物を取りにもどるぐらいの気持ちで、ゆったりと読むべきなのかもしれない。歴史という名の教科書を捨てよう。
 過去の名も無き人々の喜びや悲しみに、寄り添って行こう。

『私は暇人なのでこんな遅いサービスでも構わないのですが、もっと迅速にサービスが行なわれるようになっても、以前からの礼儀正さと、本が売れようが売れまいがそんなことはどうでもよいという大らかさを失わないで欲しいと思います。
 最近は口先のうまい商売ばかりで、こういうまじめな商売は少なくなってしまいましたが、感じがいいし、売ることしか考えない商売よりも結局は人々の信頼を得ることになるでしょう。(本分より)』

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つづきの図書館

2015-04-25
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●レビュー ※ネタバレあり

この本の主人公は、人付き合いが苦手で生きるのが下手な40代のバツイチ女性桃さんです。

桃さんは、身寄りのない伯母さんの介護のために、生まれ故郷に戻り、小さな図書館別館で仮採用司書として働き始めます。

この小さな図書館では、おかしなことがおこっていました。そのせいで、司書さんも次々と辞めていたのです。

そのおかしなことというのは、本の中から裸の王様やあまのじゃくなどなど、登場人物が飛び出して、かつて自分の絵本を読んでくれた子どもたちを探そうとするのです。

本から勝手に出てきた登場人物が探そうとするのは、みな何かを抱えているような子どもたち。桃さんは、裸の王様やあまのじゃく達と一緒に、その子達の「つづきのお話」を探していきます。

自分が読んだ本の登場人物が、ずっと自分のことを気にかけてくれていて、大きくなった自分を探しに来てくれるって、なんて素敵なことでしょうか。

私も自分が子どもの頃に読んだ本の主人公に今の自分を探しに来てもらいたいな~と思いました。

そして、この本は桃さんのつづきのお話もあるのです。不器用で、あまりいいことのない人生を歩んできた桃さんですが、裸の王様たちと人探しをしていく中で、桃さん自身も変わっていきます。

この本は、漢字にルビがふってある子ども向けのお話ですが、子どもだけでなく、すべての不器用な大人のために書かれた本であるような気がします。

誰しもが、子どもの頃に絵本を読んだ楽しい時間を思い出すような素敵な本です。

是非ご一読ください。

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